目にみえているものは、すべてでではありません。
見てからのあなたの解釈が真実であり伝えたいことでもあります。
だから思いをこめて、目にみえるものを日々つくります。
「みえるもの、みえぬもの。」と題された2012 A/W collection。得てして作り手の意図、拘りは消費者には見え辛い。ただその見えない部分に気づく事がなくても、そのディティールの集積から生まれるデザインの表情というものが全体を覆い作品に感度を与える。
そのテーマを反映させたものが色をアンバランスに配置させたデザインが特徴のコート。生地を切り刻んで、手縫いで再構成。さらにそこからプリーツ加工を施し、切り刻んで手で縫ってという作業を見えなくしまっている。他にも裏からのプリントと表からのプリントを組み合わせた生地の風合いなど拘り抜いたアイテムたちで構成される。
また今シーズンよりシューズラインもスタート。フェティッシュを取り除き、日本人女性に合うデザインに。
チャコールグレーやパープルなどで編成されたカラーパレット。水墨画のように描いた淡色の表層と「みえるもの、みえぬもの。」というテーマが組み合わせることで、掴めそうで掴めない、観念の世界に見るものを呼び込んでしまうようなコレクション。
Text:Fumiya Yoshinouchi