昨年11月に行われた「FASHION’S NIGHT OUT JAPAN」。この一夜限りのイベントにファッションを愛する、雑誌「VOGUE」の編集長が各国から日本へ駆けつけた。誌面に掲載されていた編集長の集合写真を目にして、「女性のパワーや意志の強さに感銘を受け、ファッションは世界を変えると痛感した」とデザイナーの小野氏。そんな彼女達からインスパイアされコレクションを繰り広げた。
レザーボックスワンピースや光沢感の強い山羊革コートは、芥子色や赤を用いアグレッシブな印象。重厚なグリーンのベルベットやヌードベージュドレスと、ビスチェやレースなどランジェリーライクな服を打ち出してきたMOTONARI ONOだが、今回はさらに大人の雰囲気に。レース×レザーなど繊細な素材とハードな素材を掛け合わせたスタイル。どのルックにも部分使いでレザーを取り入れ、女性の内面の弱さと力強さを込めている。
毎日ファッションを楽しんでいる女性像を落とし込み、多岐に渡るコーディネートができるようボリューミーなファーはボレロ仕様。プリントテキスタイルには”アネモネ”と”茜”をモチーフにし、線描写が可憐に溶け込む。花言葉は共通して「恋」。仕事が出来て力強く、恋愛も充実した女性をイメージした。
スタイリングはデビューコレクションと2シーズン目を手掛けた渡辺康裕氏を起用。デザイン段階から客観的に見ることで、フェミニンになりがちな素材も引き算スタイリングで、よりエレガントに仕上がっている。