Fashion Show

CYDERHOUSE

“CYDER”とは、もともとイギリスのパンクス達が飲んでいた安い発泡酒のことで、<カオスU.K.>というバンドのリミックスの曲名でもあります。

そんな日常を楽しむためのお供“CYDER”をつくる場所としての“HOUSE”でありたいと考え、ブランド名に決めました。

パンクで、民族的で、サイエンス・フィクションな世界観を洋服で表現したいと思います。
              
デザイナー 岡本ユージ

今期のシーズンテーマは『Unity in the house』。「統一・団結」を意味するこの語句は、いくつかのシーズンを一つの物語として発表するCyderhouseの、今期から始める新しい物語の第一話となっている。その『Unity in the house』は、メインアイテムとも言えるライダースに、ヘキサゴンの鋲を綺麗に並べられた状態で施したアイテムで表現。オーダー制でも受注するこのアイテムからは、統一・団結が一目でわかり、繋がりを意識したデザイナーの今期のテーマへのアプローチが伺える。

アイテムは、ライダースとニットの2つのアイテムをフィーチャー。それぞれ異なったテイストやディティールが施されており、今までにない上品で気軽に着れるライダースと、しっかりとしたニットを合わせるスタイルを提案。
ハードな型のUSライダース。腕から胸に掛けてライン状にドクロとロゴのマークが入ったニットが施された染料染めのアイテムで、シルエットは細味で。切り返しやベルトにもこだわりが詰まっている。テイラードジャケットのディティールを持つ鹿革のジャングル加工のライダース。ジップをフルであげるとテイラードの衿のような形が見えてくる。従来のライダースのように硬めの印象では無く、裏地にネルシャツを使う事で薄さも相まってさらりと羽織れるアイテムをイメージしている。また、スナップボタンに取り付けられるようにスナップボタンバッジを販売。ほとんどのライダースの規格に対応しているため、アイテム単品でも楽しめる。その他にも、ネップツイードを使った定番シルエットのライダースも、同素材の2タッグや裾が丸くテイラードの要素を持っているパンツセットで提案。
ニットは、縮絨をかけ詰まっており、しっかりとした形崩れのしない事が特徴。またライダースとのレイヤードを考えられており、ジャケット感覚でも羽織れるアイテムとなっている。それぞれにテーマの『Unity in the house』を意識したテキスタイルデザインがされているなど、ライダースと比べてよりテーマを直接落とし込んだ印象を受ける。

「今一番着たいと思ったものを作るので、展示会で並べている時はすぐにでも着たいのでうずうずしてしまう。」と輝いた顔で話すデザイナーの岡本氏。
ストーリーを大切にし、長いスパンでの服作りをしているCyderhouse。前3シーズンの『S.F.』『MARMAN』『DADA』で完結したひとつの物語の前作は、キャラクターの物語を紡いでいた。今期から始まる『繋がり』をテーマにし、よりマクロな視点でのテーマ設定から生み出される、繋がり紡がれるストーリーは今後いったいどのような展開になるのだろうか。

Text:Yoshiaki Miyahara


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