Fashion Show

MIKIO SAKABE

中性的なマッシュルームヘアにティアラ、清潔な白いセーラー服。花束刺繍が施されたシャツは、肘下にサテン生地を用いてソフトな印象にしている。少女マンガを落としんだスウェットやトレーナー。”pure”な少女のあどけなさを象ると同時に、メンズがレディースを着ることへの純潔な興味のようなものを示しているかのようだ。

制服スカートを履きこなし、厚底スニーカーで背伸びしてみる。コットンキャンディーカラー等のカラフルニットは、85〜96年まで放送された「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」を通して当時話題となった通称「たけしニット」をイメージ。複雑な模様が交差するインパクトの強いアイテムだ。

花モチーフの甘いニットカーディガン等、大振りのニットにスリムなステテコパンツ。上半身にボリュームを持たせた逆三角形シルエットが、ベルギーの音楽バンド「dEUS」のアップテンポな曲に合わせて登場。首もとには、お母さんの宝石箱から盗んだようなジュエリーを付ける。

日本はロリコン文化だと言われる。その分ゲイが少ない。そもそもロリータコンプレックスとは少女愛という異常性愛であり、精神的な問題に深く組み入ることから感じる純粋性。この純粋な感度を持った人に対し、”美意識”を見出している。
カルチャーから派生するファッション性を導き出すのではなく、一度原点に戻り「洋服」と「人」の関係を考えていく。男と女との間を彷徨う「新たな性」を提案した。

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka Shimogata

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