写真家、アウグスト・ザンダーのポートレートやセバスチャン・サルガドの「Workers」に写る人物はスタイルやテキスタイル、デザインといったものだけではなく、見る人に強いインプレッションを与える。MITSUはそんな存在感がありながらも、そこから感じられるぬくもりや質感や手触りを大切にしている、デザイナー小北光浩氏によるブランド。
古いことと新しい、自然と合成等といった真逆の2つの側面を持ち合わせることをテーマとし、日本伝統での染め手法の”タイダイ染め”を特徴としている。京都の伝統工芸師から直接習い、デザイナー自ら手作業で染めていく。当然のこと、染めとは偶然と技術が重なる高度な技術であるからして、一点一点表情は異なる。また配合率などによって大きく変わるために、TRY&ERRORで実験してできあがったものがMITSUのアイテムとして展開される。
シルエットはモダンでタイトなアイテムだが、ヴィンテージ感を落とし込み、ジャケットからシャツ、パンツ、M−65とても広いアイテム展開となっている。
そのデザインはさることながら、「実際に見たときの存在感や一点一点違う表情を見てほしい。」とデザイナーの小北氏は語った。
Text:Yoshiaki Miyahara
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