デザイナー西家康隆氏によるブランドTATARImokke(タタリモッケ)2013 S/Sコレクションは、西家氏の思想をファンキーでファンタジーな世界観で表現した。テーマは“YABAN-野蛮”

注目はTATARImokkeのシグネチャーであるプリントと加工技術を取り入れたスウェット地のプルオーバー、ブルゾンパーカー。大胆にプリントされた架空の先住民族とタタリ族が争う様子は、イラストレーター本秀康氏が描き下ろした物で、よく見るとTATARImokkeより展開されているプロダクト、DEATH OF DOLLのぬいぐるみもイラストに登場。そしてアーム切り替え部分には加工を駆使し、生地を斑点状に溶かし、それらをボディーに貼付け立体感のあるヒョウ柄にみたてたという拘りのアイテムだ。
Tシャツアイテムでは、民族的な縄や槍のモチーフをグラフィカルな色彩と配置でフューチャリスティックに仕上げたデザインプリントを施した物や、古着Tシャツのグレーの無地部分のみ集め、再度パッチワークでTシャツに組み立てた各布片によってグレーカラーのニュアンスの違うリメイクTシャツなどを展開。
コレクションで多くみられる原始的な世界と未知の世界が共存するイラストやグラフィックのプリントには、「世の中もっと野蛮になってほしいなと思う。今の世の中、面白みなく生きる事があたり前になっているし、明日死んでしまうかもしれない位の感じの方が、もっと頑張って生きようとするのではないか。」と言うデザイナー西家氏のメッセージが込められている。

Text:Kumiko Kobayashi