Fashion Show

KAMISHIMA CHINAMI

今季のテーマは「Butterfly」。暖かい光の印象に、周りの花々など、蝶そのものよりも周りの全景をモチーフにすることで、蝶の美しさを間接的に表現したコレクション。静まり返った会場に、残雪を表現したような真っ白なコートに身を包んだモデルが登場。花々のプリントが施されたアイテムへと切り替わり、雪の中からでも次第に姿を現す生命の力強さを表現。ブルーやイエローなどの鮮やかな色はより鮮やかに、ベージュのような淡い色はより優しく見えるような、色の組み合わせや重なり合いを活かしたコーディネイトからは、生命が芽生え活き活きとした、光あふれる春の暖かみが感じられる。

コートや、パンツなど様々なアイテムに見られる、菖蒲、牡丹、木蓮など、初春の花々を大胆にあしらったプリントが植物の美しさを表現。蝶や花びらを形取ったり、光をモチーフにした、樹脂やスパンコールの飾りがワンピースやスカートの上できらめく姿が目を引いた。ゆったりとした素材と、体に沿った細身のフォルムとのコントラストが、凛とした女性像を映し出す。

斜陽感な時代と言われ、閉塞感を感じる現代日本。しかしそんな日本でも、外から見れば恵まれた国である。そんな豊かな日本の姿を軸として人とコミュニケーションをとっていきたいとデザイナー、カミシマチナミは語る。豊かな日本らしさの強い、未来へ向けてのポジティブな姿勢が感じ取れるコレクションとなった。

Photo:Yoshiaki Miyahara Text:Kohei Tsurumoto


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