…air
春の空気
夏の空気
生活の空気
時間の空気
…airを
布、服と、身体の中に詰め込んで
銀座三越のテラスにて行われたNaoshi Sawayanagiの2013s/s collection。
”周りの空間、環境、そして人が着ることによって服が成り立つ服”をコンセプトに掲げるNaoshi Sawayanagi、周りに溶けこむようなドレープの効いたアイテムや鮮やかな色のアイテム発表された。
前回までの大人の可愛らしさを表現したコレクションから、今季はエレガントな大人な女性を演出するコレクションへ。風の流れのようになびくドレープの効いたノースリーブワンピース。風に膨らむアイテムをハイベルトで閉めたルック。そして身体に沿うライン。 草木染めによって染められた淡いグリーンは柔らかな光と空気を放ち、差し色の様々な色がそれを印象づける。またとこどころに使われるのは石川県の工場で作られた化繊。高級素材であるシルクにも負けず劣らず光沢やドレープを表現する日本の優秀な繊維である。他にも福島のシルクを使ったスカーフやそれを染めた京都の染屋と日本を強く意識し、自然と一緒に生きてきた日本人ならではのコレクションとなっていた。
あいにくの空模様となったショー当日。しかし日常の沿線上を意識したという今回のコレクションにはそれすらも演出かと思わせるほど、静かと秘めた芯の強さを感じる時間だった。
Photo & Text:Yoshiaki Miyahara