無限の可能性と現在の自分。理想と現実。複雑で常に不安定な10代。
今季のBarbudosはそんな彼等の心情をイメージし、そこにデザイナー自身の体験と記憶をも合わせたコレクション。テーマは『yang yang yang frustration』。
Barbudos自身で空間をつくったインスタレーションショー形式での、Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO初参加となった。
今季のコレクションの象徴でもあり、アイテムのディテールにも多く登場するトライアングル。触るものを傷つけながらも、繊細さを持つティーンのフラストレーションを表現。また手の甲にバツ印を付け、快楽主義の破滅を憂いたハードコア・パンクの思想「ストレート・エッジ」の際に使われたバツ印を三角にしモデル達に施す事で、少年少女等の怒りを表す。
ルーズとタイトをそれぞれ組み合わせ、レイヤードを強く意識したルック。デザイナー自身がティーンであった90年代によく着ていたというボーダーが入れられたアイテムをベースに、「ストレート・エッジ」の規律を表すかのようなトラッドアイテムを、色やカッティング、切り返しやシルエットでロックやパンク的に崩す。そしてワンポイントで使われる少年少女の怒りの象徴。
時代の流れとともに大きく変わっていく環境。デザイナー自身「僕の思春期と、現代の子達の思春期では環境が全く違うと思う。」と語る。しかし、それでも伝えたいメッセージを洋服で繋いでいく。
Photo & Text:Yoshiaki Miyahara