テーマとなった「INSECTOPIA」は昆虫(インセクト)と楽園(ユートピア)を掛け合わせた造語。
ペールグリーンのストライプタイトスカートやシャツブラウス、モノトーンのストライプに花柄のカットジャカードオーガンジーを重ねたペプラムドレスやコクーンシルエットのドレス。
花柄にはよく見ると昆虫が隠れていたり、スカート丈の大振りなペプラム、ケープのようなジップ開きのディテールなど虫の羽根をイメージしたフォルムを起用。虫柄よりも生地そのものの素材感やディテールを切り取ったプリントなど外側から昆虫を表現している。
トンボの複眼をイメージしたような筒型バッグやフラットな厚底シューズ。ライトグリーンのコクーンコート、スカートのバックにはタックによる割れ目を入れて昆虫の羽根が開いたような立体感を演出。
ウィービル(ゾウムシ)にインスパイアされたパターンの、玉虫色の箔を貼ったコートやハイウエストパンツ。エナメルのペプラムドレスは裏地に玉虫色をのせ、歩く度に七色が覗く。羽根の重なりをイメージしたタイトスカートやクワガタの鋏をイメージしたカッティングなどを展開。
ゴールドに深緑色のオーガンジーを重ねた生地は、昆虫特有の光り方を忠実に再現している。その他トンボの羽根柄のテキスタイルなど、インドネシアの熱帯に生息する虫を中心に、実際の昆虫から切り取ったプリント。フレアスカートなど「ただ甘いだけでなく、エナメルレザー等で毒素を入れることで近未来的なユートピアを描きたかった」とデザイナーのMUG氏。大胆な柄使いやブラックを混ぜたメタリックがフューチャリスティックな印象を強めた。
Photo:Kaori Sugawara Text:Tomoka Shimogata