Fashion Show

liberum arbitrium

「UN(=打ち消し)」をテーマに「UN」で始まる幾つかのワードを引き出し、そこから展開された今シーズン。中でも最もデザイナーの光岡慎介氏が伝えたかったのは「“UNDERTAKE”と”UN”(=新しい”何か”への挑戦)」である。これまでのダークなテイストを引き継ぎつつもそれを打開するため、スポーツテイストを混ぜることで時代感を読み取ったリラックススタイルを提案している。

白のマウンテンパーカーやハーフパンツ、ジップ付きニットジャケットなどスポーティーかつ清潔感漂うアイテム。異素材を組み合わせたバイカラーシャツやクロップドパンツには、化学繊維を避けてきたがシルクのような質感を持つ、高品質のポリエステルを使用。ナイロンなども積極的に取り入れ、上質な素材かつ機能性のある素材選びに試みている。

まとまりすぎない抜け感を生む切りっぱなしの裾、繊細な糸で織られた透け感のある生地。モノトーンだけでなく、山吹色や青みの強いネイビーといった有彩色に挑戦した今季。
パテントレザーは上品になりすぎない光沢と、独特なツヤ感がアクセントとなった。ブラックやホワイトのシューズの他、紐にオレンジなどの色味を差したドキュメントバッグといった小物類に用いている。

学生時代にはウィメンズを発表した経歴がある光岡氏。今年度メンズブランドとしての活動が本格化しているが、「自分でもフィッティング出来、気持ちも確かめられるので等身大な自分を表現した、よりこだわった提案が出来ることからメンズに切り替えました。ただ素材やディテール、レイアードの提案等は非常にウィメンズ的な物の作り方をしていると思っています」と語った。

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka SHimogata


コメントは停止中です。