裏側から見た”東京”というテーマは、「東京で一体何をしているんだ」という自分自身、周囲に対しての投げかけからスタートした。
ファッション誌のコラージュやファッション誌に見えるようなプリントを施したコットン生地のドレスは、縫い目を最小限に押さえた縫製。折り紙の発想から紙をたたむことから着想を得ている。
紙をつまんだり、ねじったりすることで生まれるような独特な立体感が特徴的。レイヤード切り替えドレスや裾にクラッシュを入れたロングドレス、薄手のプリントジャンパーなど肩や袖にボリュームを持たせたデザインを展開。
「辛いだけではなく、楽しいこともあるでしょう。楽しいことを表現することが愛なのではないか。」という思いを込めて後半にかけて、明るい印象にシフト。白のメッシュスカートやティアードキャミソール、金糸を織り込んだ透け素材のショートパンツの他、レースやチュール、シフォンを何層にも組んだドレスやアシンメトリースカートが登場。
ホーメー歌手の山川冬樹氏が率いる新バンド、”ULIBOZE”による生のバンド演奏を取り入れた今回。 ヨイトマケの唄などデザイナーの石黒氏が生まれた頃の曲を使用。星空をイメージしたライトアップなど、東京で生まれ育った石黒氏が記憶する音楽や光景が反映された演出となった。
Photo:Yoshiaki Miyahara Text:Tomoka Shimogata