Fashion Show

Astrid Andersen (MAN)

Topmanの支援のもとFashion Eastが主催し、若手メンズデザイナーの登竜門として毎回注目を集める合同ショー、MAN。James LongやChristopher Shannon、J.W.Andersonなど現在のロンドンメンズウェアシーンを賑わすデザイナーの多くがMANでのショーを経て活躍の場を広げてきた。Nicola FormichettiやAlister Mackieなど業界のエキスパートにより今回選ばれたのは、前回に続き2回目の選出となったShaun Samsonと、初選出のAgi&SamとAstrid Andersen。ラグジュリースポーツ、オーバーサイズ、カラフルなプリントなど現在のロンドンメンズウェアの特徴が凝縮されたストリートウェアが出揃った。

2年前にRCAの卒業ショーで発表したリッチな素材と大胆なプリントで構成されたヒップホップなコレクションが話題を呼んで以降、独自のスポーツラグジュリースタイルを確立してきたデンマーク出身のAstrid Andersen。今まではMANのインスタレーションにてコレクションを発表してきたが、今回初めてショーのラインナップに加わった。

今回はWu Tang Clanと少林拳をインスピレーションに、グループメンタリティだけでなくそれぞれが強い個性を持ち、自信と力強さに溢れたカオティックな集団を描いた。

強さを象徴するレッドやオレンジが効果的に挿入されたコレクションは、マーブルプリントのダウンジャケットやメッシュタンクトップ、デジタルプリントのスウェットなど、今回もパンチの効いたオーバーサイズアイテムが揃う。クロップトトップスやデニムのセットアップに象徴されるように、90sのバッドテイストなヒップホップウェアをベースにしながらも、フェミニンな素材やカラーを取り入れたり、またシャイニーなサーフェスの素材を多く使用することで、ハードなグラマラス感とフューチャリスティック感を演出し、現代の進化するマスキュリニティが力強く表現されている。

Vibram社の足袋のような5フィンガーシューズや、あごのタトゥーやゴールドのネイルといったメイクもルックに更なるエッジを加え、フィナーレで勢揃いしたモデル達は新しいアーバンストリートトライブのようであった。

スタイリングを手がけたのはI-DやFantastic Manなどで活躍するトップスタイリストのSimon Foxton。BGMはSalemのKing Night。

Photo:Takahito Sasaki Text:Yasuyuki Asano

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