ロンドンを一望できるThe Broadgate Towerの20階。太陽が沈み辺りが暗くなっていくなか、赤いネオンがランウェイを描くスペーシーで幻想的な会場で開催されたJonathan SaundersのAW12コレクション。
1月にミラノで発表されたメンズウェア同様、カラフルなプリントがトレードマークであったデザイナーが新たに探求しているのは、斬新なテクスチャー。コンパクトなジャケットのパンツスタイルやボックスプリーツのAラインドレスを中心にレザーベルトでアクセントをつけたクリーンなシルエットのコレクションは、ノイズ柄のような仕上がりのジャカード織、ウェービーなニット、そしてエンボス加工といった表情豊かなテクスチャーがキーになっている。
ブラウンやレッド、グリーンを中心にソフトなペールカラーを織り交ぜたパレットはカラフルながら上品に、またプリントも豊かなテクスチャーと混ざり合うジオメトリックなものからフェミニンなフローラル柄まで色鮮やかな仕上がり。
シックなルックの中にはオーバーサイズのVネックセーターやレトロフューチャーなレザーサンバイザーなどスポーティな要素も見られる一方、終盤はラティスプリントや和風なフローラルの刺繍が施されたシフォンドレスも登場。
どこかノスタルジックでありながら新しく、そして拘りを見せながらもウェアラブルに仕上げられたコレクション。先日若手デザイナー支援スキームであるBFC/Vogue Designer Fashion Fundも受賞し、今後ますます活躍が期待される。