スコットランドの伝統楽器、バグパイプの音色で幕を開けたCorrie NielsenのA/W 2012コレクション。その音色の通り、自身のルーツを振り返った今季のテーマは「Vestiarium Scoticum」。スコットランドの伝統的ファッションデザインに関して書かれたJohn sobieski stuartの著作からインスピレーションを得てデザインを創り上げた。その世界に入り込んだかのような赤や黒を中心とした様々なタータンチェックが登場し、会場に色を添える。
キールックは中世のイギリスやスコットランドのドレスのような、ボリュームのある深いパープルのケープやバルーンスカート。彫刻家を父にもつ彼女ならではのシルエットの美しさが印象的である。サテンやシルクなどラグジュアリー感の出る素材を多く取り入れつつも、赤いハイソックス、レース、チュール、ドットなど遊び心のあるアイテムや素材を合わせたスタイルも目を引いた。
ブラウスやトラウザーなど日常的に使用するアイテムにも彼女がこだわりを持つドレープやレイヤードを細部に丁寧に組み込む。全体的にディテールの凝ったデザインに仕上げる一方で日々のファッションに取り入れられる様、そのボリュームを調整するなど彼女の現代的なクラフトマンシップとクラシカルファッションの融合が光るショーとなった。
Photo:Takahito Sasaki Text:Eriko Higashida
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