Topmanの支援のもとFashion Eastが主催し、若手メンズデザイナーの登竜門として毎回注目を集める合同ショー、MAN。James LongやChristopher Shannon、J.W.Andersonなど現在のロンドンメンズウェアシーンを賑わすデザイナーの多くがMANでのショーを経て活躍の場を広げてきた。Nicola FormichettiやAlister Mackieなど業界のエキスパートにより今回選ばれたのは、前回に続き2回目の選出となったShaun Samsonと、初選出のAgi&SamとAstrid Andersen。ラグジュリースポーツ、オーバーサイズ、カラフルなプリントなど現在のロンドンメンズウェアの特徴が凝縮されたストリートウェアが出揃った。
昨年セントマーチンズの卒業ショーで発表された、チェック柄やニットをニードルパンチで繋ぎ合わせた斬新なテキスタイルのストリートウェアで一躍注目を浴びたShaun Samson。前回のSS12ではメキシカンブランケットをフィーチャーしたよりストリートカルチャー色の強いコレクションを発表し、数多くの雑誌エディトリアルで使用されると共に、SelfridgesやOpening Ceremonyなど有名店でも取り扱われ、現在最も目の離せない若手メンズウェアデザイナーの一人である。
スポーツチームとアーバンストリートトライブという種類の異なる集団からインパイアされた今回のコレクションでは、メッシュやフリースといったスポーツウェアのファブリックを、細部のジップやスラッシュされたネックラインといった斬新なフィニッシュで仕上げたオーバーサイズアイテムを展開。
前回まで多用されていた彼のシグネチャーであるニードルパンチもロング丈のコートなどで使用されているが、彼のコレクションを特徴付ける実験的なファブリックへのアプローチは今回、フェイクファーの使い方に凝縮されている。モンスターのようなファーで描いたロゴやパネリング、エンブレムやホラー調のフェイスのファーアップリケがスポーティなファブリックに新たな表情を与えた。
社会的集団と非社会的集団というテーマのコントラストが象徴するように、クリーンなシャツとゴシックレターやロゴを施したストリートなTシャツとの組み合わせといった巧みなレイヤード、またペールトーンをベースにブルーやグリーンを挿入した上品なカラーパレットなど、スマートさとストリートのエッジがルックの中に共存。一目で違いの感じさせる大胆でアイコニックなエナジーを有しながらも、ウェアラブルで現代性が加味されたストリートウェアに仕上げられている。
足元のカスタムブーツはTimberlandとのコラボアイテム。スタイリングは前回に引き続きMatthew Josephs。