Fashion Show

Mulberry

映画「かいじゅうたちのいるところ」、そして、12歳の少女を主人公に森の中の薄暗い物語を柔らかく美しいトーンで描いたフォトグラファーTim Walker初のショートムービー、「The lost explorer」にインスパイアされたMulberryのAW12コレクション。童心に戻り夜の森の中をさまよい、冒険する事で、エスキモー、ネイティブアメリカンミステリー、ワイルドなプリントモチーフやファーのマテリアルなど多くのテーマを拾い集めた。

ショーはモンスターをイメージさせるソフトなオークブラウンのファーコートから始まり、その後カラーリングは夜が深まっていくようにオレンジ、ダークブラウン、ブラックとナチュラルカラーでグラデーションを描く。

アウターはファーコートの他、キルティング素材で作られたスタジアムジャンパーを思わせるジャケットやレザーで付けられた肘当て、内側にファーが施されたフードなど、オーバーサイズで可愛らしい印象のアイテムが目立つシューズもピンヒールではなくウェッジソールのブーティが着用された。

全体的に柔らかいイメージの色使いのアクセントになったのは様々な色を使ったタイダイや、ZIGZAGシリーズと呼ばれるパターンのプリントの他、色が角度により変化するように織られたファブリック。その他マテリアルにはレザー、ウール、編み目の詰まったニット、シープスキン、パーツではスタッズなどしっかりした素材がベースとなったが対照的で透け感のあるレースやシルクのランジェリーのようなアイテムとの組み合わせにより全体的にはフェミニンな印象。

人気のアクセサリーラインからはバッグにDEL RAYという新作が登場。米シンガーのLana Del Rayをアイコンにハリウッドグラマーとレトロスタイルのインスピレーションを得た。キャットウォークではこのラインの中からオーストリッチ、メタリックスネーク、ファーなど特にラグジュアリーなマテリアルを使ったラインを披露。Mulberryのバッグの特徴とも言えるポストマンロックはタートルモチーフであしらわれている。

Text:Eriko Higashida

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