前シーズンはシャープでミニマルなスタイルの中に背面が開閉できるトップスなどで春夏シーズンにおける積極的なニットウェアを提案したAlistair Carr。ニットウェアブランドの本領が発揮される今回の秋冬コレクションでは、やんちゃなスクールガールが時を経て大人になり、洗練された女性になった姿をラグジュリーなニットによるシックなコレクションで描いた。
シンプルなシェイプはブラックやネイビー、グリーンなどのディープなミニマルカラーリングを基調に、ピンクを始めとしたキャンディーカラーが加えられよりフェミニンな印象。注目のニットはカーディガンを着ているかのようなトロンプルイユのジャカードニットやジグザグ柄のツインセット、更にチューブ状の凹凸を持ったスカルプチュラルなニットドレスなどが登場。スクールユニフォームからのレファレンスも数多く登場し、Vネックニットの豊かなテクスチャーや、ジャケットやスカートなどに施されたボックスプリーツはモダンなムードも加味している。
しかしAlistairがイメージする女性は、ただ優等生のまま大人になったのではない。最も象徴的であったのは毛先だけがカラフルに染められたヘア。更にリブニットのライダースやレザーボンバージャケットにスリーブレスジャケット、レザーシャツやパンツなど、エレガントなムードを崩すことなくスクールガールであった頃の反抗心が随所に宿り、大人の女性になった今も心には少しのパンクを秘めている。
今回もBGMはYasmina Dexter、シューズはChrissie Morris。