Acne Paperという雑誌も年に2回発行しているAcne。今回のコレクションでは3月14日に発売されるネクストイシューのテーマ「the Body in Art」と連動して、お気に入りのアーティスト達をインスピレーションに、マテリアル、テクスチャー、カラー、シェイプをクラッシュし、テーマ通り服を通して人体に思い切ったアート性を宿らせた。
フォトグラファーAndre Kerteszの歪められ抽象性を持った写真をインスピレーションに、シルエットは構築的でボリューミーなオーバーサイズアイテムのウエストを極太のベルトで締めることでシュールレアリズムなシェイプを創造。Hans Bellmerのエロティックなスカルプチャーはショート丈のアウターやボディコンシャスなドレスなどコレクションに大胆さを持たらせ、またHanneline Rogebergのペイントから影響された淡いトーンのピンクやベージュに、レッド、イエロー、ネオングリーンなどのポップカラーがコントラストになったパレット。
ファブリックはレザーやビニールの艶やかさとコットンやウォッシュドウールの風合いで生まれるコントラストに、キルティングナイロンやネットなどでテクニカルな質感もミックス、そしてシューズ用のシャイニーなレザーがジャケットに用いられたりニットにダウン素材が詰め込まれるといったおもしろい試みも見られた。
得意のデニムアイテムやドロップショルダーの軽やかなコートなどの今っぽいアイテムも踏まえつつ、従来のコレクションよりも実験的な試みが多く見られ、トレンドを絶妙に押さえたリアルなワードローブが絶大な人気を誇るブランドは、よりファッションフォワードなクリエーションを目指し始めたように感じた。