鳥のさえずりや水のせせらぎの音が響く幻想的なムードでスタートしたCorrie Nielsenのコレクション、タイトルは「Florilegium(フロリレジウム)」。Florilegiumとは、花が集まった様子を意味するラテンの言葉だが、今回のコレクションは Victorian Palm House of Kew (イギリスの王立植物園にある象徴的なガラス張りの温室) をイメージした言葉として使われている。
今シーズンはモダンで力強いイメージを打ち出した先シーズンに比べ、花や植物を意識した有機的で柔らかなフォルムとカラーリングが印象的。Corrie Nielsen らしいクラフトマンシップを感じる複雑なテーラリングとドレープで生み出されるフォルムは、光沢を放つラグジュアリーなシルクで作られ、独特な立体感と余る程のボリューム感が面白い。
ジャケットにパンツスタイル、ワンピースなどのほとんどのアイテムがボリューミーなドレープで構成され、その非日常なフォルムはまるで妖精のコスチュームの様な不思議なムードを漂わせる。さらに、Victorian Palm House の温室を思わせる、シースルーの立体的なフォルムとヤシの葉のプリントで表現したドレスも登場。ラストルックに登場したホワイトとグレーのグラデーションが美しいドレスは、ウエディングドレスを思わせる様なデザイン。思わず見とれる程、ゴージャスなものであった。
Photo:Hiroyuki Ishimizu Text:Yukari Inatomi