京都発のニット用ヤーンkyotexを使用した革新的なニットスタイルを創造し続けるCraig Lawrence。Lady Gagaの衣装提供を手掛けるほか、今年の7月には、ヴィクトリア&アルバート博物館の招待により館内でショーを行う「Fashion in Motion」にて、回顧展に代わるショーを披露し今最も注目度の高いデザイナーの一人だ。
今季はカラーバリエーションは用いず、メタリックカラーの銀と白のみに絞ったコレクション。カッティングエッジなテキスタイルや繊細で優美なシルエットに焦点が当てられている。インスパイアの源は夜の海に育つ不思議な光を放つプランクトン。すべてルックは4つの生物イメージにカテゴライズされている。「ウニ」と名付けられたニットウェアシリーズは彼のシグネチャーでもあるラダーステッチでボディラインをタイトに包み込んだ仕上がり。「クラゲ」は流動性を意識したシアーなティアードドレスだ。また今回も、新たなニッティング技術をUKのニットウェア製造メーカーの協力のもとで登場させ、プロダクトの向上に対し惜しみない姿勢を見せた。
ショーのエンディングに用いられたのは、照明を落とし切ることにより、カメラのフラッシュライトのみをウェアに反射させる演出。昼と夜で異なった表情を持つラメ糸マテリアルの魅力をアピールした。
現代のニットウェアのパイオニア的存在として、今後もCraig Lawrenceのクリエーションに期待がかかる。
Photo:Hiroyuki Ishimizu Text:Akiko Sakuma
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