ファッションを通して幾度となく革命を起こしてきたデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッド。70年代パンクムーヴメントで衝撃を与え、80年代以降はキャットウォークデビューとなったパイレーツコレクションをはじめ、歴史や伝統を尊重しながら、当時のカルチャーを牽引する伝説的なコレクションを次々と発表してきた。
アンダーグランウンドシーンから表舞台へ、そして今や誰もがその名を知る権威ある存在となった彼女が次に目指すもの。それをダイレクトに冠したRed Labelの最新コレクション、「Climate Revolution (気候革命)」。
ショーは英国の魅力を改めて評価し賛美する「GREAT キャンペーン」を祝して外務英連邦省で開催され、気候変動に対する関心を高め、今すぐに行動を起こすべきだという想いが込められた。
発表されたのは、英国のロイヤルガーデンをインスピレーションに、クラシカルなエレガンス溢れる女性らしさをベースにしながらも、ヴィヴィアンらしいポップなツイストが効いたコレクション。ルックはサマードレスを中心にスポーツウェアからイブニングまで、英国の伝統的なライフスタイルに基づき展開。庭園の自然をイメージしたナチュラルカラーとブライトカラーの組み合わせに、レトロなパターンやアブストラクトプリントを織り交ぜ、アンディ・ウォーホル的なヘアメイクとメタリックなアクセサリーがアクセントに。アンクルブールにステファン・ジョーンズのハット、オーブカモフラのバッグなどアイコニックなアイテムも多数紹介された。
社会に向けたメッセージをハッピーに伝え、ファッションのもつパワーを再確認させてくれた今回のショー。フィナーレではDIYな「CLIMATE REVOLUTION」のメッセージフラッグと共にヴィヴィアン本人が登場し、現代のパンク、今必要な革命を高らかに宣言した。
Text:Yasuyuki Asano