Fashion Show

Tata Naka

双子の姉妹、Tamara SurguladzeとNatasha Surguladzeによるブランド Tata Naka 。今回のコレクション、著名なアメリカ人フォトグラファー Slim Aarons の作品からインスパイアされたという。

Slim Aarons は、第二次世界大戦時には従軍フォトグラファーとして戦地で活動し、戦後には社会派フォトグラファーとしてのキャリアをスタート。戦争とはかけ離れた、極めて華やかでオプティミズムな作風が特徴だ。晴れ渡る青空を背景に、水面きらめくゴージャスなプールや、海岸沿いに広がるリゾート地などにて、当時のセレブリティや上流階級の人々の優雅な生活を数多く写真に納めた。その写真は高く評価され、当時の Vogue をはじめとする有名誌にも掲載されたという。

インビテーションに書かれたタイトルは「POOL HOURS」。タイトル通り、プレゼンテーションが行われた会場内には、青空にヤシの木が並ぶ常夏の風景をバックにプールサイドが再現され、その周りにはパラソルやチェアが配置されていた。まるで、Slim Aarons の作品の中に入り込んだかの様なセット。プールサイドに並びポージングをするモデル達のクラシカルなヘアメイクが、より一層世界観を強くした。

今回披露されたのは、シルクやコットンを始めとする様々なファブリックで表現されたクラシカルなデザインの数々。膝丈のタイトスカートやパジャマパンツ、ツイードジャケットなど、エレガントなアイテムをカラフルなカラーリングで表現した。シンプルなワンピースやトップス、さらに大胆な背中の開きが目を引くスイムウエアも、細かく計算されたシルエットで、当時の時代感を感じさせるテイストにアレンジ。肩やデコルテなどの切り抜きが美しいドレスは、上まで閉じられたスマートな襟元がポイントに。肌を見せつつも上品に仕上げ、美しいフェミニンなラインを得意とする彼女らの持ち味が大いに発揮された。
さらに、シューズにも注目したい。太めのヒールのスウェードストラップシューズやビーズやプリントがあしらわれたスリッポンなど、クラシカルなフォルムがウエアをさらに引き立てた。

ブランドのシグネチャーであるオリジナリティ溢れるプリントは、さらに大胆な印象に。カラフルな花々や大きく描かれた女性のポートレートは、まるで子供が描いた絵の様にポップで可愛らしい。
今回使用したカラーパレットは、アイスクリームピンク、ピスタチオグリーン、リッチバニラと表現される様なキュートなシュガーカラーと、ボールドアクアマリン、ディープアメジスト、シトリン(レモンの様な)イエロー、グリーントパーズといったジュエリーカラーとのコンビネーションだ。

カラフルで華やか、見ているだけで笑顔になる様な光景。Slim Aarons の目指した世界感を、Tata Naka のフィルターを通して表現した、見応えのあるコレクションとなった。

Photo:Hiroyuki Ishimizu Text:Yukari Inatomi


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