ファッションの名門、ロンドン芸術大学セントラルセントマーチンズの新校舎で発表されたPaul Smith S/S 2013 コレクション。
今回のスタイルの軸はなんと言ってもアートの様なカラーブロッキングだ。ホワイト、ブラック、レッド、ダークグリーン、オレンジ、ネイビー、カナリヤイエロー、ターコイズ、ベージュといった力強いパレットを大胆に組み合わせると同時に、サテン、シフォン、レース、フラワープリントなどの素材、柄の切替えしが駆使されている。アイテムは依然として美しいテーラードジャケットやシャツ、クロップドパンツ、ショートパンツとマニッシュなラインナップ。しかし、そこに透け感のある素材やハイウエストでタイトなシルエットを用いることによってフェミニンな印象をプラスした。特に、深いスリットが入ったシフォン地のプリーツスカートは歩くことによりコントラストカラーがふわふわと揺れ動き、柔らかで美しい。ショーの終盤には、太さを変えたボーダーをあしらったジップアップのノーカラージャケットとレギンスのスポーティーなルックが登場し、幕を閉じた。
「ひねりのあるクラシック」をスローガンとするPaul Smithの服作りは、伝統的な技術と仕立てを継承しつつも、遊び心を加えた個性的なもの。そんな彼らしさあふれる新作コレクションであった。
Photo:Takahito Sasaki Text:Akiko Sakuma