ANRELAGE 2011 – 2012 A/W Collectionがラフォーレミュージアム六本木で行われた。今シーズンのテーマは「LOW」(低解像度)2次元の解像度というものを3次元の中で解像度を上げたり下げたりすることによって形を変えるというコレクション。Lowというテーマを設けハイテク技術を用いることによりLowなものを表現している。
以下はリリースに書かれていた言葉
かたちを見ること
よく分からないかたちを
よく見えないかたちを
かたちは伝え続けている
たとえかたちが変わろうとも
かたちはかたちであることをやめない
ここ数シーズンは造形に対するテーマを設けていたANREALAGE。前シーズンは体は絶対的ではないということで体そのものを変更させたが今シーズンは”形”に着目した。一般に形というものは解像度をあげることにより、より細かく、より綺麗になっていくとされ、解像度を下げることにより、より粗くなっていく。それに対し「形というものも絶対的ではないのではないか」とデザイナーの森永氏。解像度を上げたり下げたりすることにより、柄も作り、形も作り、なめらかなものは全てがたついてくる。
形に関してはあえて変形したものを設けず誰もが知ってる形を解像度を粗くすることにより表現。洋服は曲線が一つもない洋服よなっている。また全ての洋服は(粗くすることにより)ガタついてくるが通常のミシンで縫うことは不可能となりレーザー縫製と超音波でのカット(ウェルダ―加工)によって作られ全てシームレスになっている。またパッチワークで柄を描いているものもある。ニットはピクセルを圧着してニット模様をピクセル化して生地が作られている。音楽はピアノの生ライブに2次元の音を加え変換していった。
色鮮やかな今コレクション。迷彩柄等に加え、普段使わない花柄や豹柄なども今回は敢えて用いられ解像度を下げることにより定番の柄がANRELAGEらしいものに落とし込まれる。
ラスト2体のルックでは同じ形の解像度の違いを表現。デザイナーの挨拶後も再びわき上がる拍手に今コレクションに対する来場者の満足度が溢れていた。
震災前は「形に対して解像度を下げることでどんどん形を壊したいという気持ちだったが、(震災後)形が崩れていてもその形は元の形であろうとする。離れれば離れるほど元の形を想起させる。柄でも形でもそう。テーマとしての方向性を形が強くあるという方向に向かわせていった。」震災前とショーの構成やスタイリング等は変わらなかったが気仙沼の工場を使っていた為予定のルックが出来ず当初よりルック数は減ったそう。しかし展示会での発表は考えなかったという。「たかがファッションと括られるのが嫌だ。ファッションというものに人生をつぎこんでいる人はたくさんいる。ショーをやることでショーにかかわる人、その先にいるお客さん、バイヤーさん、バイヤーさんもショーを行うことによりお客さんに伝えることも出来る。良い循環しかない」