POTTOによるおよそ5年振りのショー “ワイルドスタイルとか恐山”が6月10日原宿VACANTにて行われた。
C.C.B.によるライブ演奏が行われる中、会場には植物図鑑を眺める人、メガホンを持って歌う人、パンを切る人、おもちゃの太鼓をたたく人、ハーモニカを吹く人、、、彼らは昔から夢中になっていることや好きなことを自由に表現し続けている。
デザイナーの山本氏本人の手書きで書かれたリリースには下記のように書かれていた。
“一人に一つの旗
一人に一着の服
みんながそれぞれ好きな事をして
それで調和して生きている世界
モデルが先にいて、一人一人のために
それぞれに似合う服を
一着づつ作りました。”
今回のショー形式はランウェイショーではなく「面白く、そして何より自分のやっていることが伝わるだろう」という考えからライブ形式のショー。モデルとして山本氏の友人達も参加しており、一人一人に似合う服を26体製作。
発表された洋服はシャツ・ワンピース・スカートにスリットや穴が空けられ生地が互い違いになるよう縫製されたものや、四角形からパターンを起こしたものなど平面的な生地使いから、着物スリーブなど和服テイストが生かされた服が多々見られた。
シフォンやサテン、ドレープ使いに女性らしいシルエットが表現されモデル一人一人の雰囲気や人柄にはまるデザイン、またシルクスクリーンプリントのドレスやパッチワークのリメイクシャツPOTTOのD.I.Y.精神を感じた。
場内を見渡すと、誰がモデルなのか分からなくなるほど人が行き交っていたが、同時に間近で服を細部まで見ることが出来、来場者だけでなくモデル自身もその空間を楽しんでいた。また初めて出会った人同士で「服を見せて」と服を通して会話が生まれていたのも、POTTOの独創的なクリエイションが創りだした空間によるものだろう。