N4 2011-12 A/W Collection “intermodulation” の展示会が、代官山にある N4 SATELLITE TOKYO で行われた。
デザイナーは、渡部 宏一。シーズンテーマの intermodulation とは、相互変調の意。素材と色の掛け合いによって生まれる相互変調を表現した。ブラック、グレー、カーキといった色合いを基軸に、マスタードカラーや水彩画をモチーフとしたオリジナルカモフラージュ柄を差し込んだカラーパレット。素材にはレーヨンカシミア混のウール、膨らみをもった平二重の綿織物など手触りに特徴のある素材がメインで使用されていた。
無駄なものを省いたシンプルなデザイン、それにより重厚なテキスタイルが更に存在感を放つ。
テーマの相互変調がよく表れたアイテムが、光沢のある生地と薄手の天竺のコンビネーションのダウンジャケット。繊細な天竺生地から、下の生地の光沢感が透けてみえる。斜行している細番手の天竺は、ヌメリ感のある独特な手触り。
また、緯糸が流れるように動くストール。袋織りの織物に、組織をしない緯糸を通すことで、糸が流れるように動く。黒い地に、発色強めの糸が更にその美しさを際立たせる。
テーラードの独特なフラワーホールは、 “もっとい” と呼ばれる伝統技法で仕上げられている。この技法は、細い芯の周りを密に手でかがっていくことで、立体的な仕上がりのホールになる。高いクオリティで仕上げれる職人は、国内でも数人しかいないとのこと。
このように細かなところまで作り込むため、多くの手作業の工程が入っている。
例えば写真のシャツにあるスクエアポケットは、ステッチが出ないよう内側を縫っているため、直角の角だけは手でまつっている。カーブにすればそのままミシンで縫製できるところを妥協せずに貫いている。
シューズは、 SPIGOLA 鈴木幸次氏 に、作り込みや生産のディレクションを委ねているそう。更にクオリティの高いものに仕上がってきたという。