上質な素材をふんだんに使った上品なスタイルに定評があるRoksanda Ilincic。ブランドイメージにも相応しく、高級ホテルSavoy Hotelのロココ調の豪華絢爛な舞踏室にて、S/S 2013コレクションが発表された。
過去数シーズンのスポーティーなテイストは継続しつつ、今季はコバルトブルー、アプリコット、タンジェリンなど60sライクなノスタルジックカラーで作り出すモダンアートの様なジオメタリックパターンが主役。発想を得たのもオプアートの先駆けJosef Albers や鮮やかな色彩と大胆なフォルムを持つ「Nana」で有名なフランスの画家Niki de Saint Phalleといった20世紀のアーティストの作品だ。無地のアイテムにはコントラストカラーのポエットスリーブやフリルの襟があしらわれ、シャープなアートパターンのシフトドレスに対して、無邪気なスクールガールの表情も。彼女の打ち出すツイードやマクラメ地はレトロなデザインに絶妙に解け込み、カジュアルなトップスをインしたツイードで作られたサンシャインイエローのマキシ丈スカートも、リュクスでエレガントな印象にまとまった。「基本的には夜をイメージしたシェイプが多いけれど、いつでも着て出掛けられるものを作りたい。」という作り手の思いのこめられたコレクション。
また、今回はブランド初となるシューズコレクションを披露した。カナダ発のアクセサリーブランドALDOが展開するALDO Riseとのコラボレーションで作製されたもの。ALDO Riseは今までにもJ.W.andersonやPreenとタッグを組んだ経歴を持つ。Roksanda Ilincicとのラインは2013年2月より店頭で販売予定だ。
Text:Akiko Sakuma