Fashion Show

Marios Schwab

「現代生活の拠り所や利便性が剥ぎ取られた時、部族の人々が示してくれるのは、人類は未だに自然の一部なのだということ。」

コレクションノートに引用された作家Joanna Eedeの言葉が示す通り、Marios Schwabが今回見つめたのは、自然と人類の祖先。ネイティブアメリカンやアマゾンの部族の伝統的な装い、そしてギリシャに生まれた自らのルーツをインスピレーションに、大自然と人間の調和を図ったコレクション。

人体の曲線に沿いながら構築的なフォルムをつくる、彼らしいシルエットを中心にしながらも、今回はより装飾的な仕上がり。ボディコンシャスなドレスは、ラフィアのフリンジやレザーのレースアップ、また素材の組み合わせやプリーツによりトライバル感が与えられた。更にアーマーのようなスワロフスキーチェインのハーネスも加わり、きらびやかな古代の女性戦士のような出で立ちを見せる。

カラーはニュートラルにビビッドなレッドやブルーが組み合わされ、パターンはハニーカムストラクチャーなどジオメトリックなものが刺繍や装飾を用いて表現され、テクスチャーを彩る。

レースブーツサンダルはAncient Greek Sandals、ジュエリーはIleana Makriが製作し、スタイリングはKaty Englandが担当。

高度に発達した現代から原点に回帰し、自然と謙虚に向き合うことで、思慮深い女性のプリミティブなエレガンスが表現された。

Photo:Hiroyuki Ishimizu Text:Yasuyuki Asano


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