7月12日、POTTO COLLECTION 2013『UF男とネス子たち』が披露された。
2013年の夏の東京。
2011年の春の東京。
あふれる光、公園通り。
幽霊たち。
価値のないものが価値をもっていく。
あとから物語がつけ加えられる。
第一会場となる代々木公園ケヤキ並木では、花壇に洋服がどこか孤独さを秘めたように静かに点在していた。風で飛ばされたゴミ袋や紙切れのようだ。近くで滔々と流れるラジオの会話さえさほど気に止めず、服に触れ、試着し、はたまた服を横目に花壇の淵に座り話し込む来場者の姿。いつもと変わらない夏の蒸し暑い夕方の空気が流れていた。叺(かます)のような風合いのワンピースからしっかりとしたウールコートまで素材感は大きく異なるが、その場では同等に感じられる。
一方第二会場となった2.5Dでは先程花壇に置かれていた洋服をモデルが着こなしている。ステージの上の、きちんと紹介されたその服に来場者の視線が集中する。ショー終了後、翌日から渋谷パルコのMeetscalストアにて販売されることもあり、ショーを見ながら購入を考えた人もいたのではないだろうか。袖を通された洋服は生気が戻ったようにスポットライトを浴びていた。UFOの情報だと聞けば、ラジオの先の音にも耳を傾ける。
上村聡(遊園地再生事業団)と山下陽光(途中でやめる)のトーク、柴田聡子による音楽の背には渋谷の街中に放り出された服の写真が映り、そこでも街行く人は振り返らない。
ラストには新体制となったアラスカン(ネオ)のライブで幕を閉じられた。
尚、発表されたコレクションは8月9日まで渋谷パルコ パート1 1階の”Meetscalストア by once A month”にて販売。
Text:Tomoka Shimogata