テーマ「Here and there」。モデルが小さなピアノの鍵盤を叩いて、自分が鳴らした音で未来を作っていく。
ボリュームのあるウールニットの袖口、バックにはメッシュ素材と異素材を組み合わせたコートを中心に、移動するというイメージから発想されたジプシースタイルを、ヘリンボーンなどのクラシカルな素材と機能的な素材を組み合わせることで現代的に表現。スカーフを取り入れたり、トレンチコートにワンピースを重ねたようなレイヤードスタイルにジプシーの香りがする。
また、今までリメイクブランドとして制作してきたことからあまり見られなかったパッチワークを多く使用。裾がほつれた生地をパッチワークし、迷彩や小花柄のショートパンツやマウンテンパーカーが登場。「Here and There」の文字やクラスト系ロックバンドのイメージで「YoYo」の文字を入れ、ヒップホップの要素も込めている。
さらに移動を意識して正八角形や球体のポーチを腰回りに付けたり、バックパックを背負ったスタイル。古着の着想から作られた麦わらにフェルトの組み合わせの帽子、パンプス、古着のアランニットをほどいて糸から手編みで仕立てた靴下など小物類も充実。
「HEREは自分たちのいる場所、現在の物理的な場所ということ、それに対してThereは未来とか自分たちが理想とする場所の対比で魅せようかと思った。なぜこちらとあちらかというと今いる自分たちの現状の不安とか、未来に対する不安とかをずっとこのまま抱えて生きていくというのが、このままずっとだと生きていくのが辛いなと思っていて凄くポジティブな未来にするには自分たちで変えていかないといけないという強い意志をみせようとしたコレクションでした。」と河村氏。これまでのテイストを残しつつも、現在と未来の環境を考えた生地使いや素材によりこだわったアイテムを展開した。
Photo:Yoshiaki Miyahara Text:Tomoka Shimogata