映画「HUNGER」からインスパイアされたコレクション。1983年に制作され、デヴィッド・ボーイやカトリーヌ・ドヌーヴ等が名を連ねるこの映画から、ヴァンパイアとして生きる主人公の二面性やクラシック音楽とモダンゴシックの融合を、”二面性の結合”という従来からのブランドコンセプトに重ね合わせた。「吸血鬼の不老不死と人間性」に共感し、服や演出に連続的に赤を取り入れている。
台襟にフードを付けたシャツはポリエステル、コットン、ナイロンを使用しフューチャリステックな印象を持たせたスポーティなアイテム。身体にフィットしたハイネックカットソーにスカーレットパンツ、半袖のライダースにレザーミニスカートとコンパクトなシルエットを展開。レザーに見える裏毛加工のパンツも新たに登場した。
コルセットにようにウエストを太いレザーベルトで絞ったドレスや80年代のデヴィッド・ボウイのスタイルを反映させウエストベルトの位置を高く設定したコートを提案している。
演出面にこだわった今回、フィルム映像には白い布を裂くと赤い布が現れる、傷口のような表現も見られた。映画内のナイフで首を切るシーンにインスピレーションを受け、動物的な切り裂くという行為に着目したことからベルリン発のアイウェアブランド、MYKITAによるレンズの部分だけが赤い別注サングラスも登場している。
Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka Shimogata