Fashion Show

Sise

今シーズンSiseが選んだテーマは”HERO”。誰しもが成長する過程で憧れてきたそれぞれの”HERO”。
今のデザイナー自身を形成するうえで憧れてきた、好きだったエミネムやSigur Ros, ガスヴァンサントなどの”HERO”の要素をコレクションに落とし込んだ。

一筋の赤い光がランウェイを照らしコレクションはスタート。スタイリング中心にデザインを描いていた前回までとは違い、アイテムを中心にデザインされた洋服達。スタイリストに長瀬哲郎氏を起用することによりテイラードやスポーツの要素をミックスした定番のアイテムも新しい表情を見せる。

“HERO”の文字が描かれたNEW ERAのキャップ、エミネムのスタイルから着想を受けたchigoとのジュエリー、「例外なく高校生の頃に使っていた」というPORTERとのバッグ、半分以上のルックで使われているA.D.S.Rとのアイウェア等今まで避けてきたというコラボレーションにも積極的に取り組んだ。
「僕自身が憧れのブランドとして高校生の時に使っていたPORTER。今の高校生が使ってくれたらくれたらもしかしたら30歳くらいになった時にその時のことを思い出すかな」と松井氏。

定番である黒や白、グレーやカーキなどのカラーパレットに、赤や迷彩等、今まで使わなかったような色や柄で強さを表現、足元もデビューから一貫してこだわってきた白のジャックパーセルではなく、対極にあるようなスケーターシューズを選んだ。坊主頭のモデルも起用するなど今までのナイーブな、少年性だけではないモデル選びにも新しさを感じる。
KYTEのグラフィックが印象的なスウェットは自身初のランウェイ(2010-11 A/W Collection)の音楽に選んだイギリスのレスターシャー発の4人組バンドKYTEとのコラボレーションアイテム。
「HEROの切なさを描いた」という今回のショーの音楽を手掛けたのは前回同様the telephonesの石毛輝氏。

「JFWに入ったとはいえ今までのスタンスでやる。来たい人が来てくれればいい。今までとスタンスは変わらない。」
ファンが描く”Sise”というイメージの真っ白でクリーンなショーの前回から一転し強さを打ち出した今コレクション、今までの自身のスタイルを踏襲しながらも、より強く、新しいSiseへと帆を進めていく。

”HERO”

今、自分は何者なのか

これから、自分は何者になるのか

自らの存在を肯定し、歩み始めた時に初めて人は誰かに[何か]を与える存在に成る

まるでそれぞれが持つ[信念]という名の緋色の導火線に火を付ける様に

Photo:Tomohiro Horiuchi


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