Fashion Show

BRÚ NA BÓINNE

大阪を拠点とする旅姿七人社が1997年にスタートした「BRÚ NA BÓINNE」。「いまだかつて人の行かぬ道を心猛く進む。この服を身にまとい」をコンセプトに、時代や流行にとらわれない服づくりを追求して全国各地のショップで展開している。

今季のテーマは「もう戻ることの出来ない 子供時代をみるような 幻想的な世界へ」

オリジナルストーリー
ヴィルトゥオーゾ(virtuoso)
友人のピアニストが、ドクターを自身の演奏会に招いた
彼は、「ピアノ演奏史上最高のメカニック」と呼ばれている
ドクターとは、幼馴染みで、小さい頃から仲が良く
その友情は、いくら歳を重ねたところで変わることがないと互いに思いあっている
彼らは、まるで一人の人間の陽と陰の部分を分け合ったように
そっくりでありながら、全く異なっていた
ドクターは、子供の頃から爆発的な陽を発散する芸術家肌であり
ピアニストは、冷静沈着で思慮深く、まるで哲学者のようであった
全く子供らしくない子供で、友達とふざけあったり
はしゃいだりということが苦手なピアニストであったが
何故かドクターにだけは、ピアニストの痛々しいくらいに
無垢で純真な童心を感じ取ることが出来た
ピアニストは、ドクターが先頃出版した絵本に感銘を受け
どうしてもドクターに聴かせたい曲があり、この演奏会に招待したのだった
高名なピアニストの公演としては、非常に小さな300人も収容すればいっぱいの会場は
もちろん満席で、入りきれない客が、少しでも微かにでもピアニストの演奏が聴こえればと
何百人も会場を取り囲んでいた
割れんばかりの拍手と歓声に包まれ、最後の曲の演奏を終えたピアニスト
深々と下げていた頭を上げると、短く感謝の言葉を述べ
続けて「長年の友人に」と再びピアノに向った
奏でられた曲は、シューマンの『子供の情景』
もう戻ることの出来ない子供時代を夢見るような 愛らしくも幻想的な演奏が
空間を優しく包み込んでいく・・・
楽屋を訪れたドクターは、大きく手を広げ
尊敬と親愛を込めて、こう呼びかけた
「ヴィルトゥオーゾ」
fin.

※シーズンテーマはルックブック用に設けたもので、展示会の際にはオリジナルストーリーを紹介。オリジナルストーリーを元にコレクションを発表している。

デザイナー:辻マサヒロ、徳田直子


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