「これは、織姫とちいさな子供たちが住む星と僕たち地球のお話です。
あるところに織姫と子供たちが住む小さな星がありました。
その星は布が手に入らなくなった不毛の地です。
彼らはぼろぼろの服を纏っています。
織姫と子供たちは、とうとう耐えきれなくなり、 新しい布を手に入れようと、宇宙船を作る決意をするのでした。」
7th collection「 THE SEVEN GODS 」を披露して1年、今回より「writtenafterwards Ⅷ 天空の織姫」の物語が幕を上げた。コラボレーターとして映画監督の安藤桃子氏を脚本、演出に迎えた新たな形で展開されていく。
中央には織物を織る際に使われるシャトルを巨大化させたスペースシャトル。それを囲み織姫と小さな子供たちが太鼓を叩きながら回る。彼らが身につけた服は江戸時代より東北の村々で使われてきた”ぼろ”をモチーフにニードルパンチを利用し継ぎ接ぎとぼろぼろにする行為を繰り返しながら作られている。
「まず今回は布で何か表現できないかというのがありました。スペースシャトルも元を辿ればシャトル織機のシャトルから来ているということを発見して、シャトル織機は古事記に登場するほど歴史的にも古い。布を作るための道具が形を変えて宇宙のスペースシャトルというものになっていることをもう一度クローズアップしてシャトルの宇宙船を作りました。」
「ファッションやクリエイションの見せ方がもっと何か出来るのではないか、ということを常日頃から思っていてプレタポルテやオートクチュールではないところで表現の舞台を作ることが出来るのではないかと思っていました。」と意気投合した安藤氏とのコラボレートについて山縣氏。
「もっと文化が立体的に融合していくべきではないかと思います。文化というひとつの括りとして山縣さんのファッションにとどまらない多面的な表現をみて、私も映画だけではなく演出し見せることでひとつの新しい神話のように物語を紡いでいきたいです。」と安藤氏。
映画を撮影することや着られる服を販売することにも意欲的な姿勢をみせ、writtenafterwardsの今後の歩みに期待したい。
Photo:Yoshiharu Ota Text:Tomoka Shimogata