デザイナーの久保氏が三度訪れたことがあるというスペイン、アンダルシア地方の空気感や匂いを意識した今シーズン。コレクション披露前にはフラメンコ衣装に身を包んだ女性たちが香水を撒く演出に加え、bailaor(男性の踊り手)が登場し本格的なタップダンスを披露。タップスの音が響き渡りムードが高まる中始まった。
腕の内側にボーダーをあしらったジャケットや碇をプリントしたTシャツと海に面したアンダルシア地方の土地柄を感じるマリンテイスト。さらに銀糸を織り込んだテキスタイルがまばゆい太陽の光を感じさせる。
騎手の衣装のような厚手の刺繍が施されたストライプブルゾン、肩線で繋がった二枚羽織風のジャケットは男気溢れるユニークなシルエットだ。スパニッシュアロハと名付けられたオリジナルテキスタイルはオリーブの木や花々が散りばめられている。
「10年経ちもう一回ファッションと向き合って作りたいと思った。うるさい音楽を好きで使ってきたが今回変えてみました」と久保氏。会場の雰囲気作りから服を見せるという総合的な演出をすることで、より服の印象が強く打ち出されたコレクションとなった。
Photo:Yukako Tomita Text:Tomoka Shimogata