ここ数シーズンはパリのショールームでコレクションを発表してきたKomakino。今回はパリで初のオンスケジュールプレゼンテーションを開催した。
マレ地区のアパートメントの一室で演出されたのは、ユースカルチャーとミリタリーをコードに描かれた活人画のような空間。
近年よりストイックに追求されているミリタリーからのレファレンスとテーラリングをベースに、今回随所にみられるのはスケーターからの引用。スケーターの腰巻きスタイルのように、腰周りにはTシャツなどがパネリングして取り付けられ、またワイドなバスケットボールショーツはサルトリアウールを使用しながら裾がカットオフに仕上げられている。
プリントは過去にもショートフィルムなどを通じて共演してきたベルリンのアーティストMatteo Giordanoとのコラボレーションで製作。高度に発達した現代におけるコンシューマリズムなどをテーマにアートを制作するMatteoの世界観が込められたプリントは、Komakinoの繊細なマスキュリニティに強いメッセージ性を与える。特にプリントが集中しているバックスタイルが存在感を放つ。
防弾チョッキ風のベストやMA-1、ストラップのディティールなどのミリタリーの要素を、フォーマルなシャツやスポーティなスウェットとマルチレイヤードすることで、戦場へ向かう少年のような凛々しさ、儚き強さが語られた。
Text:Yasuyuki Asano
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