Fashion Show

ISSEY MIYAKE MEN

1枚の布を3次元の立体造形を経て2次元の平面に折りたたみ、人に着用される事で時空間を越え衣服としての生命力が解き放たれ5次元に向かうという「132 5. ISSEY MIYAKE」プロジェクトにより、今年4月にロンドンで開催されたデザインオブザイヤーにてファッション部門の最優秀デザイン賞を受賞したISSEY MIYAKEと三宅氏自身が中心となる研究開発チームReality Lab。そのタッグによりディレクションされた今回のコレクションのタイトルは、「PAPER / LIGHT / CYCLING」。

自転車に乗ったモデルが颯爽と登場しスタートしたコレクションでは、古くから日常着にも使われてきた和紙に「自転車のある暮らし」という現代的な解釈を加えたデザインを展開。

和紙にレーヨンを貼付け表面をラミネート加工した和紙ボンディングにより、紙を素材としながらもウォッシャブルな生地を実現。また細かく切った和紙をこよりにした和紙キャンバスでできたコートやブルゾンは、ハリのある立体的なシルエットをつくりながらも、折りたたむとフラットな四角形になる。他にも極太和紙糸にかすり染めを施したローゲージニットや、和紙糸にナイロンなどを混ぜたブルゾン、更にデニムやスニーカーに至るまで、ほぼ全てのルックに和紙素材が取り入れられている。

リラックスしたシルエットの軽やかなブルゾンやショーツ、キャップにスニーカーといったアウトドアなアイテムを中心に、ブラックとホワイトの組み合わせをベースにリフレクターでリネアモチーフを挿入。紙独特のパリッとした質感やソフトさを見せながらも、クールなサイクルウェアとして現代的に仕上げられている。

伝統と新しいテクノロジーの調和や異素材への挑戦といったISSEY MIYAKEらしいスタイルが、盛り上がりを見せる今の自転車カルチャーに見事に落とし込まれた。

Text:Yasuyuki Asano


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