London Collections: Menの立ち上げに合わせ、ミラノからロンドンに発表の場を移し開催されたPringle of Scotlandのメンズウェアショー。4月にデザインディレクターを務めるAlistair Carrの辞任が発表され、今回のメンズウェアが彼の手がける最後のコレクションとなった。
今回発表されたのは、ニットウェアブランドのヘリテージに、よりリラックスしたシルエットとカジュアルな素材を組み合わせた、スポーティなモダンパフォーマンスウェア。
ボックスシルエットのジャケット類は、大きめのポケットやドローストリングス、ベンチレーションなどが施されアウトドアな仕上がりを見せ、ボトムスにはショーツやワイド目のパンツを、そして足元にはストラップとポイントカラーでスポーティになったレザーシューズ。またラペルが削除されたジャケットやパンツのパネリングなど、デニム素材も多く使用されている。
ニットはスポーツウェアの通気性を与えたハニカム(蜂の巣状)構造のものをはじめ、見た目はより軽やかに、着心地はより快適に。またストライプに浮かび上がる「シャドーアーガイル」やカモフラージュのジャガードニットなど、ブランドシグネチャーのアーガイル柄は新しい表情を見せた。
洗練されたミニマル・フューチャリスティック美学と随所に潜むロンドンらしいエッジで、200年の歴史を誇るヘリテージブランドに新しい風を吹き込んできたAlistair Carr。異色のコラボレーションは3シーズンという短い期間で幕を閉じてしまったが、次回からインハウスのデザインチームで発表されるPringle of Scotlandのニューコレクションと共に、彼の今後の行方にも注目したい。
Photo:Takahito Sasaki Text:Yasuyuki Asano