2004年にセントラルセントマーチンスを卒業後、英i-Dマガジンでは注目すべきデザイナーの一人としてもノミネートされた経験を持つJasper Garvida。イギリスのテレビ番組、Sky One’s project Catwalkでの受賞以降、ロンドンファッションウィークにてコレクションを発表している。
ロシアの抽象主義芸術、その中でも特に構成主義の画家、Liubov Popova(1889-1924)の幾何学模様の作品から強く影響を受けたという今季は、キャメルスエード、ネイビー、カーキなど彼女の作品に沿ったカラーを多く使用し、ベースカラーのブラックによるダークな雰囲気のコレクションのアクセントとした。グレー、ブルー、ブラックやベージュ、モカ、カーキなど同系色で作られたグラデーションのような緩やかなストライプのパターンもLiubovの画風を受けていて印象的。
シルエットはどれもボディラインを強調するデザイン。ウェストはベルトでシェイプされ、背中や胸元には大きく開いたカッティングが目立った。素材にもサテン、シフォン、カシミヤを使用し女性のゴージャスな美しさが表れるよう設計されている。一方、ディテールにはハードなパーツが多く組み合わせられた。肩章やタブのついたワンピースやジャケットの他、柔らかな素材で作られたドレスにも肩からゴールドのチェーンが施される。その他ネイビーの素材にゴールドの刺繍やボタンをあしらうなど、パーツにマスキュリンな印象のミリタリーテイストを入れる事で表面上の美しさだけではない、現代女性の強いメンタリティを表現している。