ミステリアスな深く暗い森の中、壮大な雪で覆われた山など、自然の持つ夜の風景を思わせる真っ暗な会場の中でKristian Aadnevickのショーがスタートした。
ノルウェー出身のkristianがテーマに選んだのは「Fenrir」北欧の神話に登場するオオカミの姿をした巨大な怪物がインスピレーション。普段穏やかに存在している自然も夜に見ると全く違った印象を受ける事がある。そんな自然の一面を女性の動物的な部分とオーバーラップさせ、女性の強さ、脆さ、そしてフェミニニティをミステリアスに表現した。
イメージを作り上げるため重要なカラーリングはカラスを思わせる深いブラックからグレー、ホワイトを基調とした。アクセントカラーにはゴールドとレッドを使用。
コレクションにはボディラインに沿うミニマルなひざ上のドレスが多く登場する。素材もベルベットなどを使い、ハードでセクシーな印象。一方、ロングのドレスには流れるラインが美しいシフォンを採用するが、カラスと雪山の背景がプリントされ一筋縄ではいかない現代女性が思い浮かぶ。ファーとレザーは同時使用され、グレーからホワイトのグラデーションを掛ける事でテーマである雪山のよう。フードを付ける事で更に、オオカミの様にワイルドな女性を表現した。その他キーマテリアルのハードなスタッズはシルバーとゴールドをどちらも使い、月と太陽の意味を持たせる。女性の持つ2面性を細部にまで表現したコレクションである。