「Lucid Disorder (明確な無秩序)」と題された今回のコレクションでは、旧ソビエトのノー・マンズ・ランド(無人地帯)をインスピレーションに、コントロールとアナーキー、秩序と反抗、戦う兵士と自由、そして残虐性と儚さといった戦争の二面性を、力強さの中に脆さが潜む自身のマスキュリニティに反映した。
ブラックを基調に鮮血のレッドと錆び付いた武器のようなブロンドを加え、旧ソビエトのオフィサーユニフォームをベースにしたミリタリーコートや得意とする変型のライダースなど、シャープなテーラリング、直線的なカットのアイテムを展開。随所に力強く走ったジップは有刺鉄線のようであり、また傷ついた兵士をも想起させる。そしてファーのハットなど極寒の環境に備えたアイテムと反抗を象徴するスリーブレスアイテムのコントラストがテーマを色濃く反映している。
バロック調のゴールドプリントのルックも存在感を見せたが、全体的にはウェアラブルなシルエットのシックなワードローブを展開し、レザーで切り替えたパーカーやハマーパンツなどスポーティなアイテムを再解釈したアイテムも多く揃った。
19世紀アメリカを紐解いたAW11の「Uncle Sam」で見せたような、歴史的レファレンスに基づくアポカリスティックな世界観にパンクやゴスなどのムードを加える得意のスタイルで、今回もダークロマンチックなマスキュリニティを見せた。



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