GQチャイナとLevono(中国のPCメーカー)のサポートにより、国外でコレクションを発表する初の中国人メンズウェアデザイナーとして、London Collections: Menでランウェイショーを行ったXander Zhou。中国でインダストリアルデザインを、オランダでファッションデザインを学んだ彼は、2007年にレーベルを立ち上げた後、既に中国で11のコレクションを発表し、ミニマルでモダンなエレガンスを感じさせるサルトリアピースを特徴としている。
『Fleurdelism (フルール・ド・リス、百合や菖蒲の紋章)』と題された今回のコレクションでは、スコットランドのボーイスカウトをインスピレーションに、大地、風、雨といった雄大な自然をエレガントなテーラーリングに溶け込ませた。
大地のブラウンに木々のグリーン、またカラフルなキャンプテントのパレットと、風にそよぎ流れるようなボリュームのシルエット。フューチャリスティックな質感を見せるテクスチャーは、シルクを中心にウールやナイロンをミックスし、木目や地割れのダイナミクスを表現する。
リラックスしたテーラードアイテムに、ドローストリングスやマグネットボタンなどスポーツウェアのディティールを組み合わせ、また繊細なシルクやサテンでアウトドアなオーバーオールやTシャツ、ショーツを展開し、足元にはプラットフォームになったシューズやサンダルを。
「デザインに出身は関係なく、何を創るかが大事」だと語る通り、モダンに洗練された仕上がりを見せるコレクションは、中国人デザイナーであるという気負いではなく、インターナショナルな時代性を感じさせた。
Photo:Takahito Sasaki Text:Yasuyuki Asano