Fashion Show

Meadham Kirchhoff

過去2回の趣向を凝らしたインスタレーションに続き、今回Meadham Kirchhoffが行ったのは「I DO NOTHING」と題されたパフォーマンス。

ペンハリガンの香りが漂うMercer Studioの小さな部屋。先ず共産主義国家の映像を集めたフィルムがじっくりと上映され、20世紀初めのノスタルジックな世界へと入る。

いつの間にか、あどけないモデルが一人ずつ入場し、奥の椅子に着席。間もなく二人ずつペアになって中央に立ち、一人が自らの服を丁寧に取り外し、もう一人がそれらの服を抱える。そして会場を後にしていく。

ショーツやボーダーの子供服のようなルックや、ギンガムチェックとエプロンパンツの牧歌的なルックから、クラシカルなグレンチェックのジャケットやワイドパンツのものまで、アウターのラテックスをアクセントに繊細なレイヤードを見せる。アクセサリーはマトリョーシカのようなペイントが施された民族調のシューズに、ラテックスのアップリケ・バッグ。

今回彼らが向かった退廃的な少年像は、より幼く、それ故により純度の高いイノセンスを有したスクールボーイ。パフォーマンスは各ピースのレイヤードを明らかにするだけではなく、まるで年齢と共に形成されたアイデンティティを少しずつ取り除き、残酷な社会に対比する少年達の本質的な想いを描いているようであった。

Photo:Yume Takakura Text:Yasuyuki Asano


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