儀式的な妖しいトライバル・パーカッションをBGMにスタートしたショー。
まず登場したのは、ジャガードやイカットでトライバルなパターンが施されたジャケットやパンツ、数珠のようなネックレス、更にファーのジレを組み合わせた、アジアやアフリカなど様々な土地の文化をミックスしたような新しいノマド・スタイル。ラグジュリーなファーを多くフィーチャしながらも、どこか敬虔でストイックなムードに仕上がっている。
後半に登場した大小のボーダーを組み合わせたパターンやオールブラックのルックは、ルーズなサイジングやキャップによりストリートな印象をプラス。
終盤に登場した鮮やかなグリーンとレッドのシャツはDamirが度々引用する着物のシルエットになっている。
また全体的にルーズなサイジングを締めるベルトと、ハイネックのカットソーから立ち襟シャツ、ラペルのないジャケットなどのバラエティを見せた首周りのディティールにも注目。
ドロップクロッチのパンツやオーバーサイズのアウターなど、今までのDamirらしいアイテムも登場しながらも、異文化をパッチワークし豊かなテクスチャーで現代のテクノ・ボヘミアンスタイルを見せた今回のコレクションは、「SOMEWHERE SOMEONE IS WAITING FOR YOU(誰かが待っているどこか)というテーマ通り、今までのダークでミニマルなスタイルから次への変化を求めるデザイナーのスタンスも反映しているかのようであった。
Photo:Hiroyuki Ishimizu Text:Yasuyuki Asano
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