独特の素材感やシェイプ、ひねりを加えたディティールが海外でも好評を博しているkolor。今まではパリにて展示会形式でコレクションを発表してきたが、今回初めてランウェイショーが開催された。
中央がランウェイでそのまわりに客席が設置される一般的なショー会場とは異なり、部屋の中央に四角い客席が山のように設置され、その周りの三辺がランウェイになりモデルとの距離も近く設定された一風変わった会場。
不規則なビートながら不思議と心地よいリズムを生むBGMでスタートしたショーでは、ウォッシュ加工のソフトなテーラードアイテムやクロップドされたパンツ、デニムやファーで襟元が切り替えられたジャケットなど、kolorらしさが存分に表現されたピースが次々と登場。
ブラウン、グレー、カーキなどの落ち着いた色目を中心としながらも、足元の印象的な赤ソックスやタイのオレンジ、またバーシティジャケットのリブのパープルなど部分的に挿入されたブライトカラーがアクセントに。
ファーストルックのジャケットを始め多くのトップスで取り入れられた裾がニット素材になった切り替えは、まるで重ね着をしているかのような仕上がり。
クラシカルなピンストライプのアイテムはよりフォーマルなムードを加えつつも、リラックスしたアイテムと合わせることで堅くなりすぎないバランスが保たれている。
着心地など袖を通すことで初めてわかるこだわりと、素材や色の切り替えなど視覚的な楽しみの両面を備えたワードローブに取り入れやすいアイテムが揃った。
スタイリングは祐真朋樹、ショー音楽はテイ・トウワ、演出は若槻善雄。
Photo:Hiroyuki Ishimizu Text:Yasuyuki Asano
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