Fashion Show

Rags McGREGOR

パリの学生運動やヌーベルバーグに憧れを抱いていた60年代のニューヨークの若者たちが、モントークのビーチで女の子とヴァカンスを楽しむ。
そんな時彼らは、ピカソよろしくボーダーのバスクシャツを着たり、映画「太陽がいっぱい」に登場したナポリカラーのパイル地シャツを着た。
クロップド、あるいはロールアップしたスリムパンツに、安っぽいオックスフォードの短靴を素足で履き、首にはバンダナを巻いた。
そんなシーンからインスパイアされた2012 S/SのRags McGREGOR(ラグスマックレガー)。
テーマは“マリン”。
US NAVYをはじめ、ヴィンテージ・ネイバル・スタイルをベースにしながらも、軍物の頑なさとは一線を画すマリンウエア。
60年代当時のフォントを使用しメッセージングを施したTシャツ、襟裏にステンシルプリントを施したヘリンボーンのマリンジャケット、さりげなくドットを施したナポリカラーのパイル地のポロシャツ、カットソー地の燕尾シルエットのJK、ベストのバックには星条旗プリントを。
そしてMcGREGORのアイコンとも言えるドリズラーを、トーマスメイソンのチェックとストライプのシャツ生地でリリースするなど、細かな拘りがいなせなディテールワークのトップス類。
ボトムには細身で短めのパンツを併せ、潮の匂いを感じさせない、クールでどこか気取ったマリンスタイル。
豊富なアイテムは、他にもブルトン・マリンと呼ばれるフランス・ブルターニュ地方の漁師が着たようなシャツやハット、ニューポート・フォークフェスティバルに参加したミュージシャンが着たような、都会的な雰囲気のウエスタンシャツ、デニムジャケット等も取り揃い、ヴィンテージ・テイストはそのままに、個性溢れるサマー・アメリカン・カジュアルを提案した。

Text:Kumiko Kobayashi

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