Fashion Show

eatable of many orders

eatable of many ordersの2012 S/S collectionが熱海にて発表された。
会場は「熱海の三大別荘」として賞賛され、旅館時代には太宰治や山本有三が愛した、熱海の文化財・起雲閣。ファッションショーは、宮沢賢治にまつわる朗読と音楽とあわせて構成された。

今期は宮沢賢治の3部作シリーズ第一弾である“銀河鉄道の夜”をテーマに。前回のテーマ“GOLDEN ALCHEMY”-金を生み出そうとした錬金術について‐の系譜としてastronomy(天文学)に着想しこのテーマに至ったという。
三角標をモチーフにし、あらゆるディティールに三角形のデザインが散りばめられる。鉱石プリントを使い星座の柄をプリントし幻想的な雰囲気に。そして今まであまり使ってこなかった手法であるグラデーション染めを駆使し、軽いシルク地を上品なトップスに仕上げている。
また鮭の皮を使っているという文具ケースは珍しいアイテム。バッグにも三角標のデザインが採用され、直線的な造形がシャープさを与える一方、木をパーツに使用し温もりが表現され、両者の按配が絶妙。
宮沢賢治シリーズのプロローグとして、早くも次回以降の続編を期待する。

朗読:阿部弥之(宮沢賢治 花巻市民の会代表)
演奏:椿四重奏団 演奏曲目:聖心歌/牧歌/星めぐりの歌/耕母黄昏(すべて宮沢賢治作詞作曲)

Text:Fumiya Yoshinouchi

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