Fashion Show

YMC

YMCは、デザインディレクションのFraser Moss と マネージメントディレクターのJimmy Collins により1995年に立ち上げられたロンドン発レーベル。トレンドに左右されることなく、ウェアラブルなモダンクローズをスタイリッシュに仕上げるそのスタイルでクリエイターやミュージシャンからの支持も厚い。

A/W 2013-2014 コレクション「Dead Inside」はFraser Mossのモダンカルチャーへのアンサーだ。Mossのフラストレーションや感動への欠如から生み出された、まさにパンクのスピリッツ溢れるコレクション。ノスタルジックなポストパンクスタイルは、YMCが創設された90年代に回帰したものとなった。

ブラックとグレーがベースとなり、アイテムもウール、レザーで作られたオーバーコートやワックスパーカー、モヘアやフィッシャーマンのニット、クロップドのサイクリングパンツといった実用性の高いワードローブが揃う中、細かいディティールに遊びを加えるのがYMCのテクニックだ。アウターに取り付けられたオーバーサイズのポケットや誇張されたジップ使いはイヤミのないアクセントとしてデザインに溶け込んだ。差し色はジェイドグリーン、赤、淡いブルー、クリーパーシューズで取り入れられたピンクが男性らしくもキュート。注目はこのブランドの得意とする、オリジナリティ溢れるパターン。絶妙な色使いで構成されたチェックボード、アーガイル柄のトップスはシンプルなボトムをエッジの効いた都会的な表情へと導いた。

歴史の中のサブカルチャーを盛り続けるYMCならでは、革命の象徴であるベレー帽を被ったモデル達が織りなすハイクオリティなパンクリバイバル。

Photo:Christopher Dadey Text:Akiko Sakuma


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