英国を代表するデザイナーVivienne Westowoodが2012秋冬のテーマに選んだのは「LONDON」
「芸術家や知識人、科学者のように教養がある過去の偉人たちを振り返って見てみると、皆、素晴らしい着こなしをしています。今、彼らが生存して皆さんの目の前にいることを想像してみてください。人間のもつ才能で、過去をファッションで表現しようとずっと努めてきました。」とVivienne。
変わりゆく時代と培ってきた経験に触れることは出来ても、同じことを繰り返すことは出来ない。同じことを模倣しようとしても全く新しいものに出会う。今シーズンのコレクションは、方向性を決めないまま、何かが形づけられる前に、様々なアイディアから生地を選んだり、技術的な作業を始めた。
コレクションも終盤に差し掛かり17 世紀の演劇「The Man of Mode」の衣装製作を依頼される。そのことにより作り上げているコレクションが丁度17 世紀の装いの様だと気づき、衣装制作を受諾した。そこから17 世紀が今回のコレクションで重視するべき背景の一要素となった。
ファッションはその時代のムードから確立される。封筒のように長方形に折られたブラックのコートは、学者が着ているガウンのようで、それはその時代に科学的な影響力があった、時代の流れを表現しているともいえる。無骨な個人主義者や冒険者のなどのアマチュアが活躍した17 世紀は、大きな変化と劇的な事件が起きた時代だった。この時代、英国人は政治だけではなく、商業においてもその国家としてのアイデンティティを作り出した。イギリス人は入植者、貿易商人、そして礼拝の自由を探究する者として世界中に散らばっていった。世界中の人々が自分たちの境界線を拡張していき、この空間と広さの感覚は、望遠鏡や顕微鏡によって宇宙にまで広がっていった。
様々なカッティングをミックスすること、そして歴史的参考資料でもある構築的なコルセット、そしてテーラード(またはドレープ)などのシンプルなカットのように、子供が描いた図面のような長方形を好んで使用。裁ち端を残したままにしたり、劇場衣装のようなビーズ刺繍やウォッシュド加工を施すことに至るまで、完璧な生地に仕上がるよう、愛情を呈している。
皆さんに尋ねたい事があります。-「もしロンドンで人が居ないビルでつけっぱなしにされている照明のスイッチを切ることができ、それが気候変
動を止めるのを助けることになるとすれば、私たちが地球を守るためにはまず習慣から変えていかなければならないというメッセージを伝達していけるのでしょうか?」
芸術家、科学者や知識達よ、星を見上げてごらんなさい、皆で団結する時です!
Vivienne Westwood